RPG。
つまりロールプレイングゲームと言うのは冒険ものが多い。
というか昔のものはほぼ全てかもしれない。
今はさておき、昔は勇者がいて、人々を苦しめる魔王に立ち向うべく仲間を集め、
村を救い最終的には魔王と対峙し打ち勝つというものが大まかな流れだ。
そして勇者はその国の姫と結ばれめでたしめでたし…。
極稀に魔王のさらに上がいて、進み具合によっては魔王が仲間になり
その最終ボスを倒すというものもある。
つまり魔王はさらに上がいない限り勇者に倒れていく運命なのだ。
魔王と言えば魔物や魔人。もしくはそれを超越した怪物だったりする。
とりあえず強けりゃいいのだ。
そして弱点は主に勇者の持つ魔法か伝説の剣。
性格はいたって凶暴か、酔狂か。それとも計画的に狙う知的派……狡猾なものか。
そして何より血や恐怖、憎しみや怒り。
その他、人の持つ負の感情を糧として喜び勇む残虐な性格だったりする。
以上がRPG世界において主な設定である。
確かに違う例もある。だが大筋変わりはしない。
そしてここ、フールブレイヴでも勇者と魔王がいた。
魔王の名はローキ=ウンディーネ=ロードクロサイト。
長い上に間には水の妖精の名…。
本人はせめてサラマンダーやらシルフだったら良かったのにと思うところだが、仕方ない。
それが彼の名だ。
ちなみに魔物の名は親などは関係なく親……もしくは自分で思いついた名をそのまま本名にする。ロードクロサイトも自分が考えていた名があった。
だが、それを広めるよりも先に魔王となったため、今更変える事ができない。
大体生まれてこの方400年。人……でなくとも諦めはつく。
だが、それでも彼は名乗る時ウンディーネのところをシルフと言い換えるのを忘れない。
いつかウンディーネを忘れシルフ……風の精霊の名が広まるのをひそかに期待しているのだ。
本人は気がついていないが、シルフもウンディーネ同様女性しかいない種族だ。
とりあえず先にも言ったはずだが、この世界には勇者も存在する。
つまりRPGの世界で言うと勇者は人々を苦しめる魔王を退治するためこの城に向かっている……はずだ。
だが彼が魔王についたのは今からおよそ230年前。
170歳だったロードクロサイトは最強と謳われ魔王となった。
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