TAKE1

 
 
 
 たしかに力は強大。
吸血鬼と言うだけはあってか容姿端整で魔法の象徴として髪が長い。
勇者は幾度となく彼に挑んできた。
「よくぞ、ここまで来た人間よ。褒めて使わそう。だが貴様の伝説も今夜限り…。
さぁ存分にもてなそうぞ!」
 威圧感たっぷりに言うと、勇者は剣を構え仲間たちに目配りする。
「魔王め!覚悟!」
 装備は伝説のものばかり。大層なつわものだなと身構える。
 
 
15分後・・・
 ロードクロサイトは無傷で…しかも勇者達が入ってきたときとほとんど同じところで
立ち尽くしていた。
 
15分前
 勇者は白魔術師の力でパワーアップ。
わざとわかりやすいほど滑稽な対物理バリアーを魔王が張る。
 
13分前
「ふん!そんなバリアー。この伝説の武器に掛かれば!」
 
12分前
 自らはなった力により一気にHPは瀕死に…
慌てて白魔導師が回復魔法をかける。
「くそっ…伝説の武器でも駄目なのか。」
 
11分前
「大丈夫、このエクスリカパーこそ魔王を打ち破る剣!」
「…。」
 魔王はその言葉に黙り込む。
それを見た勇者パーティーの内、弓の戦士は勝機が見えたりと高らかに言う。
「明らかに動揺しているぞ!俺たちが援護するからがんがんいけぇ!」
 
7分前
 魔王は時々呪文を放ちつつ、攻撃を全てわずかに動くのみでかわす。
 
4分前
 既に勇者パーティーで立っているのは勇者とモンク…
そしてHPがもうほとんどない召喚士のみ。
ちなみに魔王は全くの無傷でしかも余り手を下していない。
 
2分前
 とうとう勇者のみとなる。
 
1分前
「何故だ・・なんで伝説の剣を持っているのに…。」
「…伝説の剣はエクスカリバーだ。」
 呆れたように言う魔王の言葉に勇者はそのまま気を失った。
 
現在
 勇者達一行は戦闘不能。
後の処理は部下に任せ魔王は部屋へと戻る。
処理といってもただ単にその辺の村近くの山に運ばれていくだけ。
生きるの死ぬも本人次第。