「僕も一応鍛えてはいるんですけど…筋肉とか付かないんですよね…。」
「気にしなくても僕だって筋肉付いているのにぜんぜん見えないとか…。
ロードクロサイト様は細いのにすんごい筋肉だけどね…。キャシーさんほどじゃあなくてもいいから外見についてほしいね。」
ですよね、とチャーリーとローズはうらやましげにため息をつく。
十分筋力は付いているだろというロードクロサイトにローズを首を振った。
「違いますよ。昔です。昔。行く先々でもやし扱い。一度あんまりにも馬鹿にされたので力比べをして町一番の力持ちを倒したことがあるのですが…。」
あ、ぼくもありますとチャーリーも同意する。
さすがに頭にきたことはないようだが、細いためどうしても弱く見えてしまうという。
【なにか薬とかないですかねぇ…。】
【ない。諦めろ。】
【ですよねぇ〜】
ロードクロサイトにきっぱりといわれ、ローズはため息をつく。
程なくして夕方となり夕食となったが、ローズは鎧を持ち上げたのが効いたのか脱力した体がさらに悪化したため、一人むなしく部屋で休んでいる。
夜風に当たるため外へと出たロードクロサイトは夜の街を見て回った。
怪しい占い師のような女性がいるが、
占いを聞きに来たカップルなどに一言三言言うだけで水晶を覗いてはいない。
「え?占ってほしいの?できる訳ないじゃない。みればわかるでしょ?そもそもそんないい加減なもの信じてる奴に未来なんてないわ。手遅れにならないうちにちゃんと働けば?」
そんな言葉が聞こえ、それでもなぜか納得したように小銭を渡しカップルは立ち去っていく。
一体何なのだろうかとロードクロサイトは思うが、どこかネティベルに似た気を感じ、
関わらないほうがいいなとその場を離れる。
夜なのに気に向かって網を振る青年や魔道書を読み召喚術の練習をする青年…。
怪しいのが多いなとロードクロサイトはホテルにと引き返した。
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