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 闇が消えると同時にあたり一面紅蓮の炎に包まれた和風な部屋が一瞬映し出され声が響く。
叫ぶような泣いているような声はすぐさまへ混乱に満ちた人々の声へと切り替った。
 道は町から逃げ惑う人々が走り、事情を聞こうとするアキラを流す。
城のある町ではないがいくつか大きな建物がある町は黒煙を上げていた。
『暴走だ!!魔獣が…魔獣が暴れている!!実験が失敗したんだ!!みんな逃げろ!!』
 走る人々を誘導する男性にアキラが駆け寄り声をかける。
『何があった。』
『アキラ様!実はフランク家で毎月恒例の魔獣実験を行った際、被験体が暴走し逃走の果て覚醒状態になってしまったのです。』
 アキラの姿にほっとしたように息をつく男性の言葉を聴いた途端、アキラは父に連絡を取るようにといい無人に近い町へとはいる。
 
 
『レイナ…どこにいるレイナ!!  !!どこだ!!   !!』
 半壊した屋敷に向かったアキラはその場周辺を探し始める。
『アキ!?どうして・・・。来るな!私が鎮める!まだ・・・まだ間に合うはずだから!』
『無理だ…覚醒したのならもう2度と元には戻れない。』
 赤錆色の髪をした少女は髪を切り、短い髪が近くのくすぶった柱の赤に染まる。
だが、振り向いた途端、奇妙なことが起きた。
その少女の姿がぼやけ、判別がつかない。
声だけは高く独特の深みを併せ持った音でアキラに返事を返す。
 そして姿を表した栗色の毛に覆われ、人の負を集めて混ぜ合わせそれを顔にしたかのような小悪な獣が足元にいる…魔獣にとっては小さな子供同然の生物を見下ろした。
『【キ・・・アキ・・  チャン・・・   チャン・・・】』
 魔獣の声と思われるのは…レイナの声であった。
 
「まさか人が魔獣になるなんて…。」
「いいえ、マルス様。魔界には当時魔生物技術の応用で“魔人”を作る研究がなされておりました。そうして…魔界には2人の魔人がおりました。レイナ様は魔生物研究の第一人者のご息女として作られました…魔人でございました。」
 眉をひそめていたジャックはリチャードの答えに目を見開く。そんな技術があったなんて・・・。
魔生物だけでなく、人まで生み出してしまったのかと3人は驚いた。