翌朝、いつもより早くに起きたジャックであったが、リビングには早起きなブラッドと自分より少し前であろうレオがいるのみで家主はいない。
「あれ?アキラは?」
「アキラさんならブラッドが起きるぐらいに仕事に出かけたって。ほら、置手紙。朝食食べたら鍵開けっ放しででていいって。」
 細い筆跡で書かれたメモをジャックに手渡すとレオは用意されていた朝食をとる。 とりあえずアキラが残していったサイン入りの外泊届けを提出すべく、寮へ向かう3人は何かできることはないかと話し合っていた。
 
「何かしてあげられることないのかなぁ…。」
「遊ぶとかできたら楽なんだけどさすがに200歳にもなって公園で遊ぶわけにも行かないだろうし…。」
 レオとジャックはう〜んと考える。ふうと、ため息をつき空を見上げたレオは秋空を眺めているうちに何か思いついたのか満面の笑みを浮かべた。
「ねぇ、せっかくいい天気なんだし、アキラさん誘ってピクニック行こうよ!ぼ〜っとしているだけでもきっと和めるし、一人で家で過ごすより絶対いいと思うんだ!」
 レオの提案にそれなら何にも考えていかなくても昼寝しても大丈夫かと、2人も賛成する。
 問題はどう切り出すか。断られるということも考えておかなければならない。
再びうなる3人だったが、先ほどよりそれは長い時間ではなかった。
 
 
「天王様!?」
「いい天気じゃな。あの子が家に他人を呼ぶのは本当に懐かしくてな、何かあるんじゃないかと3人を探しておったんじゃよ。それで聞こえたんじゃが…あの子をピクニックに誘うのは簡単じゃよ。そういった誘いはあまり受けんので乗り気じゃないよう見えるが喜んでおるようじゃからの。」
 突然現れたゴークに驚く3人であったが、ゴークは相変わらず…いや昨日よりも嬉しそうに微笑みながら言うのに昔はどうあれ、今では孫のことを大切に思っているのだろうと3人は思った。
 
 アキラへの連絡は翌日取れ、日時が決まり昼食は彼が用意するということとなった。ゴークも来るということを伝えると一呼吸ほど黙ってしまったが、わかったと短い返事か返ってくる。