黒内美樹という少女は一見普通の人間だったが、一つ人間にはない力を持っていた。
無意識とはいえ、彼女の周りにある邪は浄化される。
アキラが言うには元々邪神の力なのだという。
浄化させるならばいいが、それを吸収し力に変えることのできる力。
 
「本来神々が持つ力は人体に多大な影響を及ぼす…。アキラの3つの力も本来は神々のものだ。そのためあいつが使うことは少ない。」
 アキラが定期連絡を入れにいない間、恐る恐るリーズに力についてたずね聴く。
それほどまでに恐ろしい性格でもなく、答えられるものに限りだがめんどくさがる事もなく答えるリーズに3人は徐々に打ち解けていった。
「3つの力って…癒しの力と破壊の力…後もう一つは…。」
「龍になれる力とか?あ、先読みの力だ。」
「2つはあっているが3つ目は違う。
先読みは龍の先天的な特性であるし龍はあいつの本体だ。
別に力を使っているわけではない。一応精神力は使うらしいがそれとは別のものだ。
3つ目は私自身過去に一度観たきりで詳しくは知らない。知っていてもさすがにあいつが隠していることなのだから言うわけはないけどな。」
 名称はないといっていたとリーズはやや表情を曇らせ、言う。
何か聞いてはいけないことだったのかとレオは思い、話しを変えようと頭をめぐらせる。
放課後の屋上には彼ら以外はいない。
 
 
「えぇっと…この前気になったんですけども、リーズさんこの前僕たちに確認とっていることがあったじゃないですか。
僕たちみたいな未成年のおまけで着たみたいなのに聞くよりアキラさんに聞いたほうがいいんじゃないのかなって…。」
「あぁ、それはアキラが真実の番人であり求められた答えには答えられる範囲の不明確な内容になるからだ。
もっとも私の場合は聞けば明確な答えが返ってくるだろうが…
聞きたくもないことまで答えるだろうしあいつが言いたくないことを無理に聞き出すこともないだろうという判断だ。」
 リーズの答えに聞いていたブラッドとジャックもレオ同様目を瞬かせる。
観ていたリザが説明を加える。
 
「白龍はとても希少なものです。そのためその白い姿は龍神様と時空神様だといわれてたです。事実、白龍に答えられないことはないというほどの知力を持っていたです。
アキは正真正銘の龍ではないので不完全な知力ですが、小さいころから先のことを考えてましたです。」
「白き龍は万物の真実を知る。それゆえに真実の番人と呼ばれる。
ただし真実は誤った使い道をすれば破滅へと進む。だから必要以上のことを知ってはいけない。」
 そもそも白い動物は少ないだろう、といわれ確かに白いライオンや白い豹は希少だなと3人は納得する。
 龍自体伝説化しているため詳しいことはわからないが、200年も年上の彼女達の言うことが正しいのだろうと思った。