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「第2結界、魔力封印・解。最終封印・解」アキラの手の甲に書かれていた結界封印術が消え、アキラの魔力が一時的に高まる。
 「アキラ、大丈夫?」
 「あぁレオ。大丈夫だ。久しぶりに魔力が戻ったんで違和感があるが…もうこれで最後なんだな。」
 最後の封印がとけ、若干伸びた髪を軽く撫で付ける。
 アキラの魔力はもう既にダモスを若干上回るほどしかなくなってしまったのだった。
 
 
 和平から一年。
 ディールもネルも現れることはなくなり、アキラには龍になる力すらも失われてしまった。
 「アキラ…あとどれくらい大丈夫なのか?」
 「もって…2年が限界でしょう。でもその前にやらなければならないことがある。」
 あとは朽ちていくだけなのだからやりたいことをやりたいと、アキラは手を握る。
 寝ることすらほとんどなくなったアキラの体はもはや魔人とは呼べない。
 ただ朽ちるだけの骸だった。
 
 「やはり…ユリシア神様との戦いは避けられないのか。それが終わった時、お前はどうなる。
 目的を失った後…。」
 「魔力があれば数ヶ月くらいは生きられるでしょう。
 ただ、そうなった時俺は既に人の形を保つことができず、元の屍に朽ちていくか、
 龍の姿となり言葉を話せなくなるか。なんにせよ今までのように暮らすことはできない。」
 そうなる前にこの肉体から魂を解き放ち核を噛み砕くと、アキラは眼を閉じる。
 魔力を体に馴染ませる為、集中しているのだ。
 その間にも髪の間からは砂が落ち、核を失った魔生物のように体を砂へと変えていく。
 
 
 
 
 
 
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