勇者がいるのはここ、ルビッシュヒープという小さいながらにも大きな宿がある村だ。
フードを深々と被ったその姿は村で早くも広まってしまったが、まぁ小さな村なのでしょうがない。
元々種族の性により日光の下を歩くのはかなり苦手だ。
彼ぐらいの実力があるものは数時間歩いても大丈夫だが長時間いると…禿げるらしい。
本当かどうかは人間世界では知られていないが、日光を浴びすぎると火傷をするし、
体の組織が破壊される事だけは確かなので、どうやら頭が真っ先に光を浴び、
髪の組織が破壊されるためらしいく、慌てて影に入ったときには禿げているという…。
そのためか、吸血鬼は禿が深刻な問題になっているとかなっていないとか。
ロードクロサイトは村人に警戒されつつ宿に入ると、
とくに咎める人もいないようだったのでそのまま勇者の部屋へと向かった。
軽いノックの後中から聞こえた返事と共に扉が開く。
「こちらに勇者ご一行が駐在していると聞いたのですが…。」
「はい。そうです。あぁ、僕はチャーリーです。弟の付き添いで一緒に旅をしているものです。
貴方は?」
出てきたのは薄茶色の髪をした17・8頃の青年だ。
聡明そうな顔立ちをした彼はにこやかに答える。
とくに目の前の男に警戒を抱いている様子はない。
「私は…ロードクロサイト=シルフです。情報屋をやっていましてね…。
勇者ご一行に加わりたく南の最果て…ホープから参りました。」
南の最果て…そこはほとんど外との交流がないためどれほど遠くから来たのかはすぐにわかる。
するとチャーリーの横から目を輝かせた黒髪の少年が顔を覗かせ、
中へとロードクロサイトを引っ張り込むと、顔を輝かせた。
眼鏡をかけているが、何故か跳ね回る髪の上にも眼鏡がのっている。
「もしかしてエルフですか!?」
「…はぁ?」
困惑した声色のロードクロサイトに気がつかないのか彼は他の人を呼ぶ。
「南の最果てには幻の民、エルフが住んでいるって本で読んだ事があるんです!
すごい!チャーリーさん、すごいよ!!」
「へぇエルフ…ねぇ。」
興奮した様子の少年を黙らせたのは金髪を一括りにひっつめた女性だ。
琥珀色の目は釣りあがり、厳しそうな表情。
だが、その身体は白い法衣に包まれており、彼女が白魔導師だということが分る。
ふと、先ほどまで興奮していた少年を見ると黒い法衣に身を包み、
黒魔導師だということが窺える。
「エルフですか…。僕ははじめてみます。そんな幻の民の方に協力していただけるなんて…
こちらこそよろしくお願いします。」
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