夕食の時間となり、ローズは当然のようにロードクロサイトの隣に座る。
だがユーチャリスに腕を引かれ、ローズは首をかしげソーズマンを見た。
「だめ!お兄ちゃんはこっち!!」
「いや…そもそも腕痛いからあんま食べないつもりなんだけど…。」
「あきらめろよ、ローズ。」
腕をひかれ立ち上がったローズはそのままユーチャリスとソーズマンの間に座らせられる。
「そうしてならぶとチャーリーくんのおばあちゃんとローくんにてるねぇ〜。」
「……。………。」
「ジミーくんもそうおもうって〜。」
アイアンの言葉に一行は内心首をかしげる。
だがアイアンとジミーは似ているというようでキルはなんとなく納得した。
【あの2人、特に女性のほうはなんといいますか…あれな感じですけど、
あまり見た目に囚われないようですね。】
【あぁ、それで外見の違いでなく別の観点から見ているのか。
でも基本あれだからな…かいかぶらないほうがいいぞ?】
確かに、と食事をする一行を見る。チャーリーやネティベル、
エリー辺りはまだ何か考えているようだが、
ベルフェゴは何か腑に落ちたようなすっきりとした顔で、
黙々と自分の食事に手をつけていた。
初めて会ったときからずいぶん変わったなと、
ロードクロサイトは思うが所詮は戦わない相手。
レベルが違いすぎてあまり興味は無い。
ポリッターやキャシーはなんとなく順応しているようで普段と変わらない。
ウェハースはといえば…変わったところがあったら逆に問いたいほど変わっていない。
「あれ?お箸無いんだけど…。」
ローズは自分の分の食事をとりあえず食べて早くロードクロサイトの元へ戻ろうと机を見回し首をかしげる。
「はい、お兄ちゃんあーんw」
「えぇえ!?ユッユー!?ちょっちょっとまって!!」
突然横からユーチャリスに差し出され、ローズは慌てたようにのけぞる。
のけぞった先にはソーズマンがおり、がっちりと押さえつけられ逃げられない。
「いやいやおかしいってこの状況。普通に食べられるからね?」
「お兄ちゃん利き手怪我しているじゃない。だから駄目。おとなしくしてて。
昔お兄ちゃんも私が怪我したときしてくれたでしょ。だから今度は私がするの。」
はい、と再び笑顔でやられローズはソーズマンを見る。
「お兄ちゃん…私のこと…ユーのこと嫌いになったの?」
「いや、そんなことあるはずないじゃないか。
ユーを嫌いになることなんてロードクロサイト様を嫌いになるのと同じぐらい
ありえないよ!!人の性別が突然変わることぐらいありな…。」
不意にそっぽを向いたローズは軽く頭に手を当て大きく息を吐く。
どうにかそんなことはないというのをアピールしようとして例えに失敗したらしい。
性別が変わるわけが無いという当たり前のことを少し前に自らやったところだ。
「ん?ローズ、後で詳しく話せよ。まぁ一口ぐらい食べてやれよ。」
「はい…。」
幸いかソーズマンの言葉は魔界人である3人にしか聞こえず、
ローズ=シィルーズと言うのを思いつきそうな考えだけは回避できた。
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