最後に目を覚ましたのはチャーリーとベルフェゴの兄弟だ。
「チャーリーくんはだれだったのぉ?うちはでぇっかいオオトカゲだったのぉ。
むかしかまれたのがげいいんかなぁ?」
「原因ね。私達は赤毛のシィルーズだったわね…。
ウェハースとジミーは別だったみたいよ。」
起きてるすぐに4番目に起きたアイアンが容赦ない大きな声で問うと
ベルフェゴは一瞬めまいを覚えうずくまる。
ネティベルの声にチャーリーとベルフェゴは顔を見合わせると自分たちも別だったことを告げた。
「ジミーくんはねぇあのおばあちゃんだって。へんだよねぇ〜。」
アハハハと笑うアイアンに目を覚ましたローズを含め、
3人はシャーマンの顔を思い出し納得した。
ジミーだって一応修行を受けているはず。ならば怖いめにも相当あっているはずだ。
「おっおいらは頭巾被ったちっちいさいひとと、やっやっぱりずっ頭巾被った子供だった…。
たったぶん昔のいっいやな上司…。」
蚊の鳴くような声のウェハースにロードクロサイトは、
ローズを支えている手の力を強くする。
青筋を立てたローズは、どうにかロードクロサイトから降りようともがくが難なく押さえられ、
あえなく断念した。
「オレは…赤い髪のシィルーズだったけど…
たぶんみんなと少し違う感じだったから別だったと思う…。」
ベルフェゴの分岐点でもあったシィルーズに関しては、直接戦ったみんなより、
まったく別の恐怖を植え付けられたベルフェゴは個別に戦うことになったらしい。
ますます痩せた様に見えるがするめをかじる姿は代わっていない。
チャーリーはといえばひどく言いずらそうな表情で言うべきか否か迷っているようだ。
「僕は…その…。」
「どうせ僕でしょ?」
口ごもるチャーリーにローズがそういえばはっとしたようにローズを見つめ、小さく謝る。
一行はと言えば納得しように頷き、地響きのような音に一斉に扉を振り返った。
開いていたはずが閉じている扉が再び開くと、そこには頂上へ続く道が現れていた。
「さっきの扉はまやかしか…。なるほど。もうこの先は近いのか?」
試練とはそういうことかと頷くとプリーストに問う。
肯定の意味で頷いたプリーストに礼をすると準備を整えた一行を振り返った。
「チャーリー、ここは先を進んだほうがいいと思う。
向こうならこんな寒いところよりはくつろげるだろう。」
「そうですね。僕もそうしようかと思っていたので賛成です。
皆、後もう少し頑張りましょう。」
相変わらず元気なアイアンはともかく、
寒さに震えている一行にチャーリーが声をかけると一行は扉を潜り抜けた。
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