「パシさん!?なんでこんなところに…。」
 ネティベルに連れて来られたパシを見たチャーリーは驚き、パシの孫娘、ヘイラーを見る。
「うちの爺がどうしても城の案内をしたいって言い出してね。
 魔道具でも作ってやるって行ったのにこの爺さっさと準備してでてなぁ…。
 まぁ面白そうなんでうちも来たってわけ。まぁ無いよりましだろうし、
 爺には護身用でしか剣使うなって言ったし、
 非戦闘員で付いて行くさ。迷惑はかけないよ。」
 いいだろう?、というヘイラーにネティベルはそうねぇ、とエリート顔を見合わせた。
「まぁいいんじゃないのか?非戦闘員なら戦闘中は離れていてもらえばいいわけだし、
 危ないなら外で待機していてもらえばいい。それに、その背中の荷物。
 中身は回復薬だろう?」
「自家製のハーイポションと万能薬。それにMPエイダーなどなどだ。
 武器の代えは爺の背負っている奴に入っている。
 代金は後払いでいいさ。エレアノラさん。」
 エリーの言葉におう、と背負っていた布紐を解き、いくつか取り出してみせる。
にやりと笑うヘイラーの小声にエリーは驚き、5倍で返してやる、と不敵に笑い返す。
 
 
 
「フローラはあれどう思う?」
 やっぱりあれだなぁ、と腕を組むロードクロサイトにフローラは、
エリーの顔を見るとあれって…と考える。
「あれって…あの黒服の女性ですか?前に魔王…周り誰もいないから別にいいわよね。
 クロサイトがノーストラリアでナンパして珍しく成功して…
 でちょくちょくあっていた挙句、最後には旦那持ちだったって言うあの女性の子孫かしら?」
「クロサイトって…まぁいいか。間違っちゃいないが…。
 で、一国の姫がアサシンしていていいのか?」
 幼馴染の古い呼び名にあのなぁ、と脱力するロードクロサイトはどうなんだ?と問う。
「そうねぇ…面白いからいいんじゃないのかしら?あら?ローズかしら?今念話が…。」
 
 
 あら?と頭に手を当てるフローラにロードクロサイトはどうした?と振り向いた。
念話が終わったのか、あらら、と笑うフローラはロードクロサイトを見るなり笑い出す。
「なんだ?」
「目が覚めたローズからよ。人間として残っていた部分が魔物になって、
 化身ができたって言うのよ。身体の病弱さは相変わらずらしいけどね。
 あと暗闇でも物が見えるって驚いていたわ。それにしても…。」
 本当に面白い、と笑うフローラにロードクロサイトは眉をしかめた。
【ローズ、何があった?】
【まっ魔王様!?えぇっとその…なんというか…。またあの魔神に遊ばれたといいますか…。
 もともと何になるだろうかと考えていたので…。】
 言いよどむローズにすぐ来いというと一行の様子を見守る。
【あぁ、そうだ。フローラが笑っていたことを知りたいから…化身姿で来い。】
【化身…で…ですか…。わかり…ました…。】
 嫌そうなローズの言葉に面白そうだと笑うロードクロサイト。
これはいろいろ大変ね、と事情を知るフローラだけがくすくすと笑っていた。