「へぇ〜。仲がいいんですね。」
「そりゃぁもちろんww僕の人生変えてまでついていこうと思ったくらいですからvvv」
確かに人生…というか種族すらも変えたほどだ。
「それで…何処までいっているわけ?」
「それがかれこれ70年近くお傍にいるのに…まだな〜んにも。大体、まだ一方通行だしさ。気がついてくれないし…。あのおばさんは邪魔するし…。」
ぼつりと呟くようにいる彼の目には“おばさん”に対する怒りが見て取れる。
…誰だかはあえて言わないでおこう。
「へぇ〜。エルフって噂どおり長生きなのね…。あら、エリー。お疲れ様。」
「追加資金だ。」
ガチャリと机に置いたのは金貨の入った袋…。人間の2人は気にしていないのか気付いていないのか、血の匂いが漂う。
「えぇっと、エリーさんでしたっけ?なにをしていたんです?」
「兼業の依頼。」
エリーが立ち去り、ネティベルは袋を開ける。
中にはなかなかの量の金貨が…。
「兼業って一体…。」
「あぁ、なんでもアサシン…まぁつまりは暗殺者ね。をやっているのよ。なんでも私怨でやるのは嫌だからあいつへの依頼が来ないかなと…。この前言っていたわ。」
やっぱりその類なのかと、笑顔の裏側で思う。
(そもそも勇者って正義じゃなかったっけ?)
「エリーは僕たちにも本名とか性別とか全然教えてくれないんですよね…。」
(え?なに?エリーって性別不明なの。つうか、自分達のパーティーぐらいちゃんと把握しとけよ!)
このままで良いのだろうかと、彼のがらではないが勇者の先輩として一言ぐらい文句を言いたい。
「…以前人間の古い友人に勇者がいたんだけど…。確かパーティーは勇者・魔導師・格闘家・召喚士・剣士・弓使いの6人だったと思います。」
「昔と言うことは2・3代前の勇者かしら?先代が多分パシの居たパーティーだから…。」
「たった6人なんですか!?すごい…。」
でも結局魔王が生きているということは、その勇者達は負けたのだと2人は気づく。
彼が苦々しい顔をしているのはそのせいかと、チャーリーは心の中で十字をきった。
「そのメンバーはまぁ幼馴染とかそういうので構成されていたせいか、
お互いの事を良く知り、互いに信頼を置いている…そんな奴らで…。
誰になんと言われなくとも呪文や攻撃をすぐに繰り出せる…そんな信頼関係があって。
いいやつらでね…。」
思い起こすはかつての仲間達…。
無論、後に再会した際死闘を繰り広げる羽目にはなったが。
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