「申し訳ないね!今混んでて…。相席で良ければ案内できるけど、大丈夫かい?
じゃあ少し待ててくれ。すぐ案内するからさ。」
入ってすぐに出てきた人間の男性はエリー達に目を留めると、合席可能かどうかを聞きにいく。
特に合席でもいいか、と休憩できればいいエリーはよほど変なのとじゃなければどうでもいい。
「エリーと2人っきりがよかったです…。」
「?」
早く席空かないかな、と悔しがるジュリアンにエリーは眉を寄せ、案内された席へと向かった。
「!?」
『………!!!』
『……………』
「あらぁー。」
奇妙な席の組み合わせに銀髪の青年は最悪だとののしり、
青髪の男のほうは肩を震わせて笑っている。
『……。……。…!』
見慣れた2人だが、魔物むき出しのイングリッシウ語で話している姿は初めてで、
奇妙な感覚を覚えた。
まぁ、今ローズが罵ったと思われる言葉は意味がわからなくとも、
頭を叩かれたことで大体の想像は付く。
「魔王と元勇者がこんなところで休憩とは…かなり余裕だな。」
席に着き、紅茶を注文するエリーはジュリアンを座らせ、目の前の銀髪と青髪を睨むようにみる。
「もう一行にばれたのかー。つまらないなぁ。反応を見て楽しむのが…。」
ジュリアンが警戒しながら見つめることと、エリーの言葉に、
ばれたのかーと残念がるロードクロサイト。
一応フードをかぶり、魔道師風の姿をしている2人だが、
この色の組み合わせでこの大小は間違えようがない。
「だから……わからない方がおかしいですから。
僕は休憩じゃなくて、魔王様の付き添い。
大体、甘味なんか好き好んで食べようと思わないし、部屋で寝ていたいし。
あの衝撃波の後散々な目にあったんだからさ。」
衝撃波、というローズにジュリアンはどきりとし、軽く睨む銀髪から目を逸らす。
「あれはローズが様子が見たいというから蝙蝠にしたんだろうが。
あれほど攻撃は受けるなって言ったのに衝撃波もろに受けて怪我して吹っ飛んで、
慌てて転送すれば要治療。キスケ戦のときおや……えぇっと、つま…じゃなくて。
まぁ暇だっだんだからな。」
『だれが……誰がおやつですか!おつまみですか!!』
キスケ戦の間、特にキスケが魔法陣を仕掛けているときなどは本当に眠かった、
と思い出したかのように出るあくびをかみ殺した。
それを聞いていたローズは目を三角に吊り上げイングリッシウ語で怒鳴るが、
まぁ会話の流れ的に何を言っているのか2人にもわかり、大きくため息を吐いた。
今後戦う予定の男2人があほらし過ぎて真意も実力もわかったもんじゃない。
怒るローズをロードクロサイトが片手で抑え、適度に遊ぶ。
こうしてみていると王と幹部のやり取りなのか、とすら疑いたくなってしまう。
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