まばゆい光で目がくらむチャーリーだが、広い洞窟内に響き渡る絶叫に思わず怯む。
なんとか見えるまでにおさまった光に目を凝らせば、
その光の下で銀色の髪を持つ四天王長が両目を抑え、叫んでいた。
 かつん、と転がった白い球は光を失い、荒れ狂う魔力の風によって粉へと姿を変えた。
「いったい何が…。」
 長い戦闘で息を切らすチャーリーは目の前の光景に目を疑う。
両目から血を流す四天王長の身にまとう魔力が風となり、一行に襲い掛かった。
 ふるふると頭を振るジミーは冥属性だが、先ほどの光の影響は見えない。

そもそも全魔法に耐性のある大伯父に、球が光ったただけでダメージが通ること自体理解できない。
 防御するすべを持たないキャシーとアイアン、ベルフェゴが四天王長の発する
闇属性の風に吹き飛ばされ、気絶するしていくのをチャーリーは横目で確認した。
あまりの強い魔力に刀を掲げ防御する以外対策が思い浮かばない。
 ようやく風が収まると、今度は強い殺気と闇の気配に冷や汗が流れる。
 
 
 事の発端は数刻前…キルの持っていたオニキスをはめ込み、
この四天王の間に来たところまで遡る…。