思い出したのか、苦々しい顔をする。
そんなローズはさておき、チャーリーは悩む。
「でもエリーさんだけは多分教えてもらえなさそうなんですよねぇ…。
なんというか…一度だけその話題をしたらものすごい形相でにらまれてしまって…。」
あははと笑うチャーリーにそれでいいのか?いいんだな?俺はもう言わない
と、ローズは深くため息をつく。
ふと、わずかな羽音がし、確かめるよりも前にローズの顔面に何かが思いっきりぶつかった。
「ぶっ!」
「だっ大丈夫ですか!?」
「何かしら…?コウモリ?」
手元に落ちた”物”をローズは確認するなり勢いよく立ち上がる。
「あっえっと…すみません!ちょっと用事を思い出しました!!!」
慌てて立ち去ろうとするローズに2人が声をかける。
「じゃっじゃあ夕飯にはあの宿に。」
「勘定しといてちょうだい。」
ネティベルの言葉にローズは3人分の勘定をその場に置き、蝙蝠を懐にいれ急いで
外に飛び出るとそのまま人気の無い路地へと入った。蝙蝠を取り出し、木箱の上に乗せる。
「ロードクロ…じゃなくて魔王様!?
体力も魔力も今少ないんですから蝙蝠で飛ばないでくださいよ!!」
「あぁ、少し日を我慢すればこっちの方が早いし…。」
軽く目を回していたのか、ふるふると頭を振り蝙蝠―ロードクロサイトは答える。
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