知り合いだった事に驚いた様子でジミーが何かを聞いているようだが彼女はさらりと流し、
昔話がしたいといって失神しているローズと後悔しているロードクロサイト以外を部屋の外へと押し出した。ネティベルが不敵な笑みを漏らしたが最後に出たためか誰も気がつかず彼女もすぐさま表情を戻す。
 
「それにしても…相変わらずなのかぇ?」
「誰も来ないので…。しかし…あれから80年近くたっているはず…。何故人間の…顔…近っ…。」
「女性に歳を尋ねるのはタブーじゃよ。ひぇっひぇっひぇっひぇ。」
 ローズを抱えたまま飛びずさり警戒をする。
無理もない。
ローズが勇者だった時代に召喚術士としていた怪しいメイクの老婆…シャーマン。
 
「ジミー=メイデンの先祖だったとはな…。」
「先祖とは失礼な。大大婆じゃよ。ほれ、起きんか銀薔薇の坊!わしの顔見るなり気絶するとは失礼な奴じゃのう。ほれほれ!」
 頬を叩かれ意識を取り戻したローズは顔を引きつらせ、袖で必死に拭う。
「…昔ローズに何したんだ?」
「ちょいとばかり幻術をかけて添い寝してやっただけじゃよ。ひぇっひぇっひぇっひぇっひぇ。」
「グロテスクなもの見せて何がちょっとした幻術!!??あぁおぞましい。だから女性は嫌いなんだ!!!」
 思い出したのか顔を青くしたローズは女性が苦手となった理由を突きつける。
普段言葉が乱れないローズはいやーー!と叫びつつ、かなり感情と言葉を乱しつつ、簡単に説明した。
その“ちょっとした幻術”の内容を聞いてしまったロードクロサイトは若干顔を引きつらせる。
「…今の人生になってどうだ?」
「はい!それはもちろん嬉しい事だらけです!幻術はフローラと一戦を交えてから克服しましたし、こんな…性悪婆はいませんし!!」
 ロードクロサイトの問いにローズは勢いよく答える。
「あ!もちろん魔王様がいるということは何より嬉しい事ですvv」
 普段の調子を取り戻しロードクロサイトに抱きつく。
「おぬしも相変わらずじゃのう。銀薔薇の坊。ところで…お前さんらは魔王やめたのかえ?」
 シャーマンの問いかけに2人はそれはないと即答する。
 
「とんでもない。ただ暇だったので今の勇者一行がどんなものかを観に来ただけだ。」
「僕はただ…魔王様のおそばにいるためにwwこんどこそ邪魔者がいないうちに…。
アルバムを増やさないとvvv」
「銀薔薇の坊はさておき…地上への進撃はやめたのかえ?」
 自分の世界に入っているローズはさておき、シャーマンは半ば頭を抱える。
「魔界のほうがまだ治安が安定していないからな。それにそっちの方が強い連中に会う機会もあるし…こっちより断然あっちの方が楽しい。」
 そういえばあの山にはいったことあるか?などとローズに聞く。
「…ならば何故地上へ来るのかぇ?」
「そりゃあ…しょ「勇者がいるし、魔界にはないものも沢山ありますから。」
 堂々と人を目の前に食事と言うロードクロサイトを遮り差し当たりのない答えへとすりかえる。