ノーストラリア国・前編

 
 
アメーバのようななんともいえない形状の召喚獣に乗り、
一向はジャポン国同様島国であるノーストラリア国へと向かう。
 
 
「そういえば今から向かうノーストラリア国ってエリーさんの出身国ですよね!
どんなところですか?」
「ジェリー、普段何の本を読んでいるんだ?国の特徴ぐらい書いてあるだろ。」
「あたしも知りたい!カンガルーとかコアラもいるんだよね!」
 めんどくさそうにポリッターをあしらおうとしたエリーに期待の視線を送るキャシー。
実際には筋肉で目は確認できないが、気配で十分わかるほどだ。
さすがのエリーもため息をつくと母国のことを話し始める。
 
「島の中央に砂漠がある小さな国だ。エアーズストーンという岩が有名だな。
あと船で移動した先にマッソーモヤイ像という妙に筋肉を強調させた石像があるハード島ある。
何十年か前にパーマ国から流れてきたそうだ。カンガルーやコアラもいるな。
イルカなども運がよければ見られるはずだ。首都はシドリーという以前ゴリンチックという国対抗の…いわば運動会のようなものが行われていたこともある。」
 2人といつの間にか加わっていたバ…アイアンにわかりやすいたとえを出す。
その例えがわかりやすかったのか、なるほどっと納得した。
 
 
「うんどーかいか〜。うちのくにのひともでてたよーなきがするぅ〜。」
「アイアンさんの国って何処なんですか?」
「うちのくにはね〜、こくほーきゅうのてんねんばかってよばれている
オーズィーっていうおうじさまがいるの。でもね、わたしはおうじさまよりうえの
せかいぶんかれべるのてんねんばかってゆうめいなんだよ♪」
 天然バカを褒め言葉として受け取っているのか、誇らしげに言うアイアンに
すごいですね!というポリッター。
 
 いつのまにかその場から離れていたエリーは呆れている2人の元へと移動していた。
近づく彼(彼女?) に首をかしげるがエリーはその目の前に座った。
 
「聞きたいことがあるのだが…以前ノーストラリアにきたことがあるのか?」
「僕はないけど…」
「何度かまだ緑のある時代に行ったことはあるが。」
 かなり昔のことでロードクロサイトは思い出そうと考える。
「その時…金髪の女性に出会わなかったか?」
「金髪…あぁ、思い出した。1,2ヶ月付き合ったけど結局分かれたっていうのがいたな。」
 あのころはまだ若かったからよくやったよと笑うロードクロサイトにローズはため息をこぼす。
 
   ふと、嫌な感じがしエリーを見れば黒い笑みを浮かべ2人を観ていた。
「やはりそうか。正体に気がついているようだが、こちらも貴様らの正体はこれでわかった。
なるほど。」
 ということは貴様は右腕的存在の4人の長か。
エリーはお互いのためにならないことなのだからしゃべらなければ黙っておくといわれ、2人は仕方なしに頷く。