金貨袋を提げ、闘技場から出るとどす黒いオーラを感じ2人はその発信元に目を向けた。
そこには掛け金を数える毒々し…心から白いネティベルの姿があった。
「お疲れさま。おかげでいい服…魔道書が買えるわ。」
 ふふふと、笑うネティベルは2人の持つ金貨袋とほぼ同じ大きさの袋を提げ町へと消えていく。
どうやら最初の頃の掛け金が相当高かったらしい。
周りには賭けに負けた者達が悔しそうにロードクロサイトを見ているが、
隣にいる銀髪からくる見てるんじゃねぇというオーラに負け、すごすごと家に帰っていった。
 帰る途中、珍しく弟…じゃなくて豚…ではなく、弟を連れずに歩くチャーリーと鉢合わせした。
「闘技場に出ていたんですね。凄いですねぇ。僕はそういうの苦手で…。」
「ロードクロサイト様は体を動かすのが好きなんですよ。今日はベルフェゴ君は…?」
 新しい防具を探していてというチャーリーに聞くと、昼ごろ外に出ていたベルフェゴがまた食あたりを起こしたらしく、部屋で寝ているという。
「時々僕の目を盗んで食べてしまうのでいつも心配なんですよ。」
 あははと笑うチャーリーだが、そんな心配普通人間にしないよと一緒に笑うローズは思う。
先を歩くロードクロサイトがここだと、アイテムショップY村商店と書かれた看板を指し
中へと入っていった。
 
 
「いらっしゃい!ヘルメットからブーツまで何でも揃ってるY村商店へようこそ!!
武器も種類充実!!」
 明るい店員に出迎えられ中へと入っていくとこれがいいかなと、
チャーリーは一番安いものを手に取る。
あんまり高いものはというチャーリーだが、ロードクロサイトはいずれ戦うかもしれない相手がそんな軽装じゃあろくに攻撃も出来ないと、いくつか見繕った。
 悪いですよというチャーリーだが、安いから大丈夫だと安い金額を言うと納得しないながらにもありがとうございますと素直に受け取った。
もちろん倍以上の金額だったが、使い道のなかった金貨ではまだ釣りが帰ってくるほどであった。
 
 軽装に見えるが一応一通りの防御力を身につけたチャーリーと共に、町を歩いていると今度は踊るアイアンとジュリアンを見かける。
が、声をかけるより前に前方で魔物の騒ぎが出たため、チャーリーは剣を抜くとそちらへと走っていった。もちろんその後を2人もついていく。