ややハスキーボイスの見知らぬ…いや、3人にはもう既にばれているのだが女性は鋭い目を国王へと向けていた。
「おお、エレアノラ。久しぶりにその姿を見るなぁ。」
「えぇ、そうですね。」
姫に見えるようにか若干しおらしく見える姿に人外男2人は微妙な顔をした。
「あのなぁ…いくらしおらしくした所で地があれじゃあ。」
ひゅっと音がし後ろの壁に短剣が突き刺さる。
2人の顔の間を抜けていった短剣は当然彼女から。
「あら、なにかいいました?」
真っ黒い笑みを2人に向けたエレアノラに2人は眼をそらす。
「あ、あれ?エリーさんは?」
「エリーは仕事といってさっき出て行ったわよ。」
今更ながらエリーが居ないことに気がついたチャーリーにネティベルがいうとエレアノラはため息混じりに笑う。
「そうそう。エルフのお方。しゃべったら…魔王と言えども全力で相手させてもらうからな。」
傍へとやってきたエリ…エレアノラはまぁ適うはずもないが分かっているな
と黒いにらみを利かせた。
「了解。」
主義として女性に手荒な真似をしたくない2人は素直に従う。
「それにしても…その姿の方がいいんじゃないのか?まだ女に見え。」
「では父上、この方達を晩餐に招くのはいかがでしょうか?」
くるりと背を向けたエレアノラの申し出に国王はそうだなと考える。
最愛の主君を庇ったがために急所にヒットし、蹲る四天王長に大丈夫かと声をかける魔王。
特にインキュバスには大ダメージだ。
主に精神的に。
「え!?でっでも僕たち…。」
「神々の選びし勇者一行だろう。エリーとはよく知ったなかだ。
それにエレアノラも帰ってきたことだし、招待させてくれ。」
ではと、連れて行く国王に続き戸惑いつつもチャーリーたちは後を追う。
ロードクロサイトといまだ悶絶しているローズも後に続こうとするが嫌な殺気がし、
エレアノラにとめられる。
「あなた方はこちらに。」
あ〜やっぱりと思う2人にエレアノラはその背後を見る。
2人が振り向くとそこにはやや向こうが透けて見えるネティベルの姿が。
「エレアノラ、私もいいかしら?大丈夫。幻影の術であっちに本体送ったから。」
黒い笑みを浮かべる女性2人に挟まれ、ため息をつく男2人はエレアノラの部屋へと向かった。
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