ロードクロサイトが目を覚ますと既にローズの姿はなく、キルだけが眠っている。
まだ日が昇って少ししかたっていないかと障子を開ければ組み手をする音が聞こえた。
 
 
「朝早いね…。茶って言いたいけど。」
 庭に行けば昨晩ファイターを会話した縁側にアーチャーが腰掛けていた。
渋いの嫌いだったはずとトロピカルジュースを差し出す。
あぁ、受け取ると近くに座り同じように庭を見る。
 
 跡が付くといっていたはずの髪を結わき軽い運動のようにファイターと組み手をするローズ。
よくみればローズは眼を閉じたままファイターの腕をかわしている。
まだ一行が起きていないことをいいことに2人揃ってズボンしか着ていない。
髪を結んだおかげで、ローズの首から右脇まで走る3本の引き攣れた爪痕が見えた。
 ファイターがもう無理、というと若干息を弾ませたローズも手を止めロードクロサイトに気が付く。
「ロードクサイト様、おはようございますw
 少し汗をかいたので水浴びした後、城に戻りご命令を実行いたします。」
 
 
「あぁ、髪はあとがつくのではなかったのか?」
 髪を解き、跪くローズに少ししか跡は付いてないがというと、え?とローズは眼を瞬かせた。
「何で知ってるんですか?」
 水浴びする予定だったので結んだんですけど、というローズにロードクロサイトはおい、とツッコミを入れる。
「昨晩、キルと私が髪を手にとり聞いたところそういっていたぞ。」
 覚えてないのか、と呆れるとローズは驚いた表情になり、あぁとうめく。
「眠い時覚えてなかった…。最悪だ…。
 ロードクロサイト様が僕の髪を触っていたことを覚えてないだなんて!!!!」
 昨晩の記憶よカムバック!というローズにそんなに悔しがることか?とロードクロサイトは首をかしげる。
「普段でも触れたり触ることなんていくらでもあるだろう?」
 別に珍しい物というわけじゃないだろうがとロードクロサイトが言うとローズは首を振る。
 
「違うんですよ…。互いが寝ているときに髪に触れるというのは愛「黙れ変態が。」」
 熱くなるローズに寝起きのキルがうるさいとけりを入れる。
ローズに負けず劣らず、キルの起きてすぐは機嫌が悪い。
「あぁ、おはよう。」
「おはようございます。ロードクロサイト様、師匠。」
 よく寝ました、というとキルは魔力で普段着である和物の服へと一瞬で着替えた。
魔界人だということを言っていれば使えたのだがなぁ、とロードクロサイトはため息をついた。
 
 アーチャーから茶を受け取ったローズは飲みきるとロードクロサイトに向き直る。
「城に戻り、準備をしますので一行が大陸に着いたあたりで連絡を下さい。」
 それでは、と水浴びをしに行こうとするローズをファイターが止める。
わざわざ冷たい水浴びなくとも一っ風呂入っていきな、
というファイターにそれじゃあそうするよと、2人揃ってその場を立ち去った。