【魔王様、こちらの準備は出来ました。】
 突然の念話にロードクロサイトは何だと聞き返す。
【今いつでも転送できるよう準備できたといったんです。それと…人の事はなすときは念話をやめてくださいよ!さっきから聞き流していましたが…怒りますよ!?】
【念話?覚えはないが?】
 意識しなくては使えないはずの念話が聞こえたというローズにキルか?と確認をとるがキルも首を振った。
【やっぱり話していたんですか!!!いくらなんでもはったりに決まっているじゃないですか!!!】
 簡単に引っかかるんですからというローズに、はめられたのかと深いため息を吐く。
【すこしだ。すこし。具合はもういいのか?】
【まぁまぁってところですね。それじゃあもう少し休むので。】
 あぁ、その前にと呟くのが聞こえ念話が途絶える。
 
 
「ん?あぁ、久しぶりだな。これで話すの。」
 ロードクロサイトの目の前にいたファイターが耳を押さえ呟く。
「ふ〜〜ん。いくつもりだけど?」
「今気がついたから知ってるよ。で?なに?その他には用事ないの?」
 アーチャーまでもが呟きかえすのにロードクロサイトはなんだ?と首をかしげた。
少しし、会話し終わった2人は相変わらずだなと笑う。
 
「なにしていたんだ?」
「え?あぁ、知らなかったのか。ローズが使える光魔法で、
 仲間同士を繋ぐ短い間だけ会話できるって言うやつ。
 難点なのは念話とか言うのと違って口に出して会話しなきゃ聞こえないんだ。」
 だからまぁ6人の間だけでしか使わないな、というのをはじめて聞いたぞという。
むっとしたロードクロサイトはすぐさまローズに向け念話を送る。
【ローズ、今の呪文ってなんだ?】
【ふぇ?あぁ、光話ですか?これは昔のパーティーだった、ファイター達の間でしか使えませんよ。
 まぁ僕が使っている間じゃないとみんなもそれぞれ繋げられないんですけどね。
 念話と似たようなものですよ。】
 突然念話で言われ、ふぅとため息をついていたローズは驚いたように反応し、これですかと説明する。
そんなの聞いたことないぞ、とロードクロサイトはため息をついた。
【どうしていわない…。知らなかったぞ?】
【僕を含めた6人だけしか使えませんもん。あ、もしかしてロードクロサイト様焼餅ですか!?嫉妬ですか!?
 それなら早く言って下さればいいのに〜w】
 でもロードクロサイト様とは属性的にむりなんですよねぇ、
とロードクロサイト以外が聞いていたのならば、うなだれるローズがなんとなく浮かんだはずだ。
だが、ロードクロサイトといえば別にそういうわけじゃあないんだがなといい、
用事がすんだので早々に念話を切った。