「あそこにいくというなら一度天界に呼ぶ気ですね。
 初めて天界に行ったときもそうでしたから。」
 何度か行ったうち行きを覚えているのは本当に1・2回ですがと答える。
そういえば行ったことがあるのだなというロードクロサイトに、
世界広しと言えども3界ともに行ったことがあるのは僕ぐらいじゃないでしょうかと返す。
「大体、キャシーは接近戦できないし全身の筋肉で重すぎ。
 それにボーガンだから確かに弦の強さもあるだろうけど弱い。
 魔力こめるの遅いし全然だめ。ジュリアンは変にスカート気にしてるし、
 なんかいまいち力が入りきってないというか…甘い!全体てきに攻撃が甘い。
 パシは…もう年だし…。ジミーは召喚術をちゃんと理解して自分で選ばないと。
 召喚獣と悪魔は全然別なんだから理解して使役しなきゃ。
 アイアンは…まぁジミーがいなきゃ意味がないから…これはコンビの問題。
 ポリッターはあれぐらい詠唱破棄しなきゃ。
 遅い上にあれ出すくらいなら全身燃え上がるほど魔力こめなきゃ。
 エリーはじいやとかいうのにはすごい殺気持ってるのに、
 ほかの人間とかとなると途端に弱まるから論外。
 暗殺者ならキルとかみたいに研ぎ澄ました…
 それだけで相手が怪我するぐらいの純粋な殺気が必要。」
 
 はぁ、とあの戦いで得た力量をローズは文句を言うように話し出す。
まさか自分の名前が出てくるとは思っていなかったキルは、
師匠にほめられたと少し照れたように目をそらす。
「ウェハースは空気。で、問題は後の3人。
 ベルフェゴは…まぁあれだけ言っとけば多少なりとも変わると…信じて…。
 それでネティベルはレベルの差がありすぎて、
 チャーリーだったら中級回復呪文で間に合うようなダメージを、
 エリーとかが食らうと上級じゃなきゃ間に合わなかったり、
 唱えなきゃいけない回数が多かったり。彼女自身の問題ではないけど…
 これはせっかく攻撃呪文使えても意味ないね。で、最後にチャーリー。
 勇者としての自覚がないんだろうけど…それにしては酷過ぎ。
 呪文を唱えるのは遅いは反応遅いわ…。ソーズマンの技が雑だしなにより…
 馬鹿にしても言い返さない、反応を示さないのは本当にどうかと思うよ。
 プリースト。今度の勇者もやっぱりお人よしで疑ったりしないの?」
 思わず天の言葉で悪態ついちゃったよ、とローズはプリーストを見る。
 
 
 落ち着いたプリーストは、ん〜と口に手を当て考える。 「確かに人を疑ったりはしないけど…。ほら、ローズはそれで…だったし、
 あの時だって疑ったり人に手を上げられればあんなことにはならなかったから。
 だから今度は大丈夫なように自分のみに危険が及ぶようなこと、
 不振なものを見つけたと時。そういう時はちゃんと普通の人と同じに疑ったり…
 自分の身の危険とかには敏感になっているって聞いたわ。
 ただ…やっぱりローズに力注ぎすぎたらしくて歌の力がないのと、
 属性魔法は光以外には普通に2つだけ。
 また100年だから…あと20年?
 ぐらいしたらまたそういう力を授けられるらしいけど、
 もう少し慎重にやるみたいなことを聞いたよ。」
 
 さすがにローズには詰め込みすぎたと思っているらしいし…、という。
その言葉にん?とキルは首をかしげる。
勇者に関しての云々かんぬんは知ってはいるが、
歌というのは目の前にいる師匠にぴんと来ない。
その顔にローズはあのねぇ、とプリーストから取り上げていた魔道書をキルの頭に乗せる。
「魔力を使うし、戦闘に役立つわけじゃあないんだから使うわけないでしょうが。
 というかプリースト。それじゃあ神山の上いけないじゃん。行く意味ないじゃん。
 本当にあの神は馬鹿なの?あ、だからプリーストが道案内人に?でも…歌えるの?」
「ローズ。全然話しがわからないのだが。私にもわかるように話してくれないか?」
 バンダナからはみ出た前髪をプリーストの目の高さまで落とされ、
 痛がるローズにもう少しわかりやすくという。